むちうち

むちうちでも後遺障害が認定されます!

むちうちでも後遺障害が認定されます!

むちうちの後遺障害等級

むちうちの認定可能性のある等級
等級 症状
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

後遺障害等級認定において、むちうちが該当する等級は14級9号か、12級13号のふたつがあります。14級9号は「局部に神経症状を残すもの」と規定され、12級13号は「局部に頑固な神経症状を残すもの」と規定されています。それぞれの級で異なっている「頑固な」という部分について、「私の痛みは頑固です」という主張だけでは認定されず、レントゲン図やMRI・CTスキャンなどの「画像所見」が認定基準の重要なカギとなります。

たとえば、むちうちの症状のひとつに「手のしびれ」があります。これを後遺障害の観点から考えると、「被害者がしびれを感じているという自覚症状」と、「しびれを感じている部位と関連する神経に異常があるという医学的な証明」の、ふたつの判断基準があります。12級13号の認定においては「しびれを感じている部位と関連する神経に異常があるという医学的な証明」を行うために、「事故を原因として該当部分の神経が圧迫されている」というようなことが分かる画像所見を元にして判断されます。

これによって「頑固な」ことが証明されるわけです。反対に言えば、神経が圧迫されていることが画像所見で確認できなかったり、画像所見がない場合には、いくら自覚症状として申告しても、証明ができないために判断が行えません。また、自覚症状と画像所見で見られる神経の異常が合致していることが重要です。自覚症状のある部分と、何ら関係のない神経に異常があったとしても、それは関連性がないと判断されてしまいます。


むちうちが後遺障害と認定された場合の賠償金額の例

40歳(就労可能年数27年)で

年収600万円の会社員の場合

※ 入通院慰謝料、休業損害、入院雑費、治療費・交通費等の金額が増額される可能性があります。
※ 具体的な事情によっては、金額が大きく異なりうるものです。
※ むちうちの場合は労働能力喪失期間が14級で5年以下、12級で5~10年に制限される例が多く見られます。

  •  基礎収入:600万円
  •  就労可能年数に対応するライプニッツ係数:14.643
12級13号が認定された場合
具体的な症例 痛み、しびれ、麻痺、めまい、難聴等の神経症状を残す障害の存在が医学的に証明できるもの(自覚症状に一致する外傷性の画像所見と神経学的所見の両方が認められるもの)等
後遺障害の慰謝料 290万円
後遺障害の逸失利益 648万6228円
=600万円(年収)×0.14(労働能力喪失率)×7.7217(10年のライプニッツ係数)
合計 938万6228円

14級9号が認定された場合
具体的な症例 痛み、しびれ、麻痺、めまい、難聴等の神経症状を残す障害の存在が医学的に説明可能なもの(①目立った他覚的所見は認められないが、神経系統の障害が医学的に推定されるもの、または、②外傷性の画像所見は得られないが、自覚症状を説明する神経学的所見が認められるもの)等
後遺障害の慰謝料 110万円
後遺障害の逸失利益 129万8850円
=600万円(年収)×0.05(労働能力喪失率)×4.3295(5年のライプニッツ係数)
合計 239万8850円

後遺障害等級認定に必要な立証方法について

画像検査

レントゲンやMRI・CTスキャンなどの画像を元に検証します。

神経学的検査

医療機関で行う検査です。特に(1)~(3)の検査が重要となります。

(1)神経根誘発テスト(スパーリングテスト、ジャクソンテストなど)

スパークリングテストとは、イスに座った状態で背面から頭を押さえ、痛みやしびれが出ている方向に頭を傾けつつ後ろに倒していきます。こうすることで椎間孔が狭められ、痛みやしびれが拡がっていくかを調べます。ジャクソンテストは、頭を後ろに傾けたまま上部から圧力を加え、痛みやしびれが拡がっていくかを調べます。こういったテストで、患者の訴える痛みが神経の障害を原因とするものかどうかを確認します。

(2)筋萎縮検査

しびれ(麻痺)が長期間続くと、その部位の筋肉はやせていきます。手のしびれであれば、肘の上下10cmの太さをメジャーで計測し、しびれのある腕とない腕を比較します。

(3)深部腱反射テスト

ひざを叩く「かっけ」で有名なテストです。腱の部位をゴムのハンマーなどで叩いて、反射の程度をみる検査方法です。脊髄に異常が生じている場合は、この反射が過剰に強くなり、神経根に異常がある場合は反対に反射が弱くなります。強くなることを亢進と呼び、弱くなることを低下や消失と呼んでいます。手の場合、上腕二頭筋、上腕三頭筋、腕橈骨筋の深部腱反射テストを行います。

(4)その他

握力検査、徒手筋力検査、知覚検査、病的反射といった検査を行います。

自覚症状と治療経過の一貫性について

事故に遭ったことを原因として心身に障害が起き、その自覚症状と治療の経過の内容に矛盾がなく、最初から現在まで一貫性があることが大切です。

まとめ

画像検査、神経学的検査による検査結果および、自覚症状と治療経過の一貫性があるかを根拠として、後遺障害等級12級の認定が決まります。障害の存在が医学的に証明できるものが12級に認定されるとも言えます。医学的に証明はできなくても、「目立った他覚的所見は認められないが、神経系統の障害が医学的に推定されるもの」や、「外傷性の画像所見は得られないが、自覚症状を説明する神経学的所見が認められるもの」には14級が認定されます。


安易な示談には要注意です

むちうちは交通事故の代表的な障害のため、加害者側は被害者の主張を怪しみ、被害者側は症状を軽く考えてしまうことがあります。長く争うより、早く示談に応じようという気持ちになったり、示談を持ちかけられることも多くあります。

しかし、首のむちうちであれば、首には脊髄や甲状腺、気管や動脈、交感神経等が集まっている重要な部分です。近い将来において、むちうちが原因でそれらの重要器官に障害が発生する恐れがないとは言い切れません。後遺障害の可能性を十分に考え、安易に示談に応じないことが大切です。


後遺障害等級認定を適正に受けられるかは診断書が重要です

交通事故後、長期間に渡って通院をしているのにも関わらず、むちうちの状態が続いているのであれば、れっきとした後遺障害であると言えます。もちろん、さまざまな根拠を示せない限りは後遺障害等級認定を得るのは簡単なことではありません。しかし、後遺障害等級認定の申請における経験が豊富な専門家と一緒に後遺障害診断書を作成すれば、むちうちであっても後遺障害等級認定が認められる可能性は十分あります。

当事務所では、交通事故でむちうちの症状が出ている方を対象に無料で法律相談を実施しています。後遺障害診断書の内容はとても大事です。後遺障害診断書を提出する前に、ぜひ当事務所の無料相談をご利用ください。

むちうちの後遺障害等級認定を受けたい際は弁護士にご相談ください

むち打ちについて、当事務所の解決事例をご紹介いたします。

事例:10 後遺障害非該当から、14級の認定を受けた事例

提示額 約70万円
示談額 約260万円 (3.7倍)
増額額 約190万円増額
傷病名・受傷部位 頸椎捻挫
解決方法(示談・訴訟) 示談

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