後遺障害チェック,むち打ち慢性化

「頸椎捻挫の後遺障害チェック表」

椎間板ヘルニアヘルニア

椎間板の線維輪から髄核が脱出してそれによって脊髄あるいは

神経根を圧迫する状態をいう。

椎間板膨隆

線維輪は前方より後方が薄くなっており,変形して突出する状態をいう。脊髄は圧迫していないが,神経根を圧迫する場合もある。

変形性脊椎症

椎体辺縁の骨性増殖(骨棘)が生じるもので,椎体の前方でも後方でも小さいものは無症状が多い。

骨棘形成だけでなく,椎体の骨硬化,椎間腔狭小化,脊柱管前後径の狭小化なども発生する。

MRI,CTよりもⅩPの方が良く判る。

骨棘が椎間孔の方向に生じている場合は,神経根を刺激することがある。

後縦靭帯骨化症(OPLL)

椎体の後方にある後縦靭帯が骨化して脊柱管を圧迫するため脊柱管が狭窄される。後縦靭帯の骨化が進行すると脊柱管が増々狭窄して脊髄が圧迫される。

脊柱管狭窄症

脊柱の発達途上から,脊髄を入れる空間である脊柱が十分に大きくならない場合があり,

(直径12mm以下)これを脊柱管狭窄という。

この脊柱管狭窄により,脊髄や神経根が圧迫され,神経症状が発現した病態(傷病)を脊柱管狭窄症という。

むちうち慢性化の説明①

   症状の変化(頸椎捻挫,神経根症型,バレー・ルー症状群の場合)

急性期の初期(1~2週)

  ・頸部の痛み,はれぼったさ,熱っぽい感じ,運動痛,

  ・運動制限,頭痛と頭重感

  ・自律神経症(めまい,眼のかすみ,耳鳴りなど)

  ・腕のしびれ

  ・神経根症状の存在

急性期の後期(3~4週)

  ・痛みの部位の原曲化

  ・痛みの運動方向の限局化

  ・自立神経症状の明確化

  ・神経根症状の明確化

亜急性期(3か月まで)

  ・頸部の運動性の回復

  ・運動痛の軽減

  ・自律神経,体性神経刺激症状の軽減   

 

 ◎むち打ち症の80%は亜急性期の3か月までに治癒します。


慢性化の説明②

慢性化の要因(3か月を超えて治療が続く場合を慢性期と言います)

 

医学的な原因

   ①受傷時に患者が有していた基礎質感

    (頸椎症,頸椎椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症など)

   ②病態によるもの

    ・神経根症型,バレー・ルー昇降群は頸椎捻挫型に比べて一般に慢性化しやすい

   ③治療開始の遅れ

    ・早期治療が理想的

   ④不適切な治療

    ・急性期の牽引や乱暴なマッサージ

   ⑤精神・心理的問題

    ・不安感,被害者意識が自律神経失調に関与する

社会的要因

    ①賠償問題が慢性化に関与しているケースがある

    ②詐病

     他覚的所見の乏しい患者の中には詐病患者もいる。


 

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